借上社宅 固定資産評価証明書の取得(郵送申請)

社宅の本人負担額が「賃貸料相当額」以上であることを裏づけるために必要な書類の取り方。東京23区内の物件が対象。最終確認 2026年8月28日

なぜ要るのか

会社が借りた部屋を役員・社員に社宅として貸す場合、本人から賃貸料相当額以上を受け取っていないと、その差額が給与として課税される。賃貸料相当額は固定資産税の課税標準額から計算するため、その数値が載った固定資産評価証明書が要る。

評価証明書が取れないと、実務上は「支払家賃の50%」で判定せざるを得ず、負担額の設計をやり直すことになる。取得は必須で回避策はない。

借主でも請求できる

物件の所有者でなくても、借家人は地方税法382条の2により、借りている部屋とその敷地について評価証明を請求できる(東京都主税局の案内で明示)。貸主やオーナーの協力は不要。

なお、オーナーが持っている固定資産税の納税通知書(課税明細書)にも同じ課税標準額が載っているので、写しをもらえるなら代用できる。ただし断られることが多いので、最初から自分で請求するほうが早い。

郵送申請の手順
1
申請書を用意する
「固定資産(証明・閲覧)申請書」を東京都主税局のサイトから印刷する。分からなければ都税相談コーナー 03-5388-2925(平日8:30〜17:00)、郵送手続きの問合せは 03-3812-3246
2
請求する内容を書く
申請者=当社(法人名・所在地・代表者名)。資格は借家人。物件は借りている部屋の所在地・部屋番号。
請求するのは「家屋(当該専有部分)」と「その敷地(土地)」の2件。片方だけだと計算できないので必ず両方。
3
手数料の定額小為替を買う
1件目400円・2件目以降100円。家屋+敷地の2件なら500円。ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口で購入する(1枚あたり発行手数料がかかる。500円の証書1枚で買えば手数料も1枚分で済む)。無記名のまま同封する。
4
同封物をそろえる
① 申請書
② 定額小為替(手数料と同額)
返信用封筒(あて先を書き、切手を貼る)
④ 本人確認書類の写し
賃貸借契約書の写し(当社が借主で、賃料を払っていることが分かるもの)
⑥ 法人申請なので、申請者が当社の人間だと分かるもの(履歴事項全部証明書、社員証など)
郵送はすべて写し(コピー)でよい。原本の提示が要るのは窓口申請の場合だけ。原本は絶対に送らない(返却されず再取得に費用がかかる)。ただし委任状を使うときはそれだけ原本。
5
送る
〒112-8787 東京都文京区春日1-16-21
都税証明郵送受付センター
6
待つ
受付から発送までおおむね1週間〜10日。急ぐときは窓口申請にするとその場で受け取れる(23区内ならどの都税事務所でも、他区の物件を請求できる)。
⚠️ 履歴事項全部証明書は「登記情報提供サービスのPDF」では代用できない

ここを間違えると窓口で突き返される。2つはまったく別物

書類見分け方官公署への提出
登記情報提供サービスのPDF冒頭が「◯年◯月◯日 ◯時◯分 現在の情報です」で始まる。登記官の証明文も職印もない使えない(閲覧用データ)
履歴事項全部証明書末尾に「これは登記簿に記録されている事項の全部であることを証明した書面である」の文言と登記官の職印があるこれが正式

民間相手(不動産の入会申込など)は前者で通ることが多いため、「謄本は取ってある」と思っていても中身が閲覧用データのことがある。提出前に冒頭の1行を必ず見る。

取り方

有効期限は提出先によるが、発行から3ヶ月以内を求められるのが一般的。

✅ 2026-08-28 確認済み(都税証明郵送受付センター 03-3812-3246・岩田様)
法人の資格確認書類は、登記情報提供サービスで取得したPDFの印刷でよい。法務局発行の履歴事項全部証明書をわざわざ取る必要はない。
一方で賃貸借契約書は署名・押印が入ったものでなければ受け付けられない。ドラフトや押印前の版は不可。手元に押印済みの写しがなければ、貸主・管理会社に取り寄せを依頼する。

証明書が届いたら控える数値

次の項目を必ず書き写す。1つでも欠けると計算できない。

  1. 家屋の固定資産税課税標準額
  2. 家屋の総床面積(建物全体)
  3. 借りている専有部分の床面積
  4. 敷地の固定資産税課税標準額
  5. 敷地全体の面積と、専有部分に対応する按分割合(管理規約の持分割合など)
  6. 建物の構造(法定耐用年数が30年を超えるかの判定用。RC・SRC造なら47年で「30年超」)
賃貸料相当額の計算(小規模住宅の場合)

賃貸料相当額 = ① + ② + ③

小規模住宅の判定:法定耐用年数が30年を超える建物は床面積99㎡以下、30年以下の建物は132㎡以下。これを超えると別の算式になる。

計算した賃貸料相当額と、実際に本人から受け取っている月額を比べる。本人負担 ≧ 賃貸料相当額 なら給与課税は生じない。下回っていたら、負担額を賃貸料相当額まで引き上げ、社宅規程の別表・賃貸料相当額計算書・給与計算をすべて差し替える。

つまずきやすいところ
関連

社内規程集(役員社宅管理規程・従業員社宅管理規程の全文)

物件ごとの確定値・判定式・進捗は、社内の非公開資料「評価証明書取得 段取り書」に記載している(物件の所在地・部屋番号・賃料を含むため、このサイトには掲載しない)。