契約書 署名・捺印マニュアル

重要事項説明書・契約書の仲介業者欄に何を書き、どこに印鑑を押すか。書類ができあがったあとの工程(作り方は「賃貸契約書・重説 作成マニュアル」)。/最終更新 2026-08-14

0. 最初に押さえること

宅建士の押印は法律上もう不要。2022年5月18日施行の改正宅建業法で、重要事項説明書(35条書面)・37条書面への宅地建物取引士の押印義務は廃止された。記名(氏名の記載)だけでよい。

当社の運用:押すのは業者欄の丸印1か所だけ。宅建士欄は記名のみで押さない。
1. 用意する印章

契約書類に押すのは丸印(会社実印)。会社名の最後の1〜2字に少しかけて押す。

あわせて、記名欄を埋めるためのゴム印(会社情報一式)を使う。手書きでも可。

押印はスタンプ台を使う。
2. 記入テンプレート(ゴム印もしくは手書きで埋める)

重説・契約書の「仲介業者」欄にそのまま入れる内容。重説の表の欄順どおりに並べてある。

<宅地建物取引業者>欄

免許証番号東京都知事 (1) 第 107241 号
主たる事務所の所在地東京都新宿区西新宿3丁目15番5号
電話番号03(4400)3601
商号または名称株式会社スタンドアップ
代表者氏名鳥越 雄太郎

丸印を押す位置

主たる
事務所の
所在地
東京都新宿区西新宿3丁目15番5号
電話番号03(4400)3601
商号または名称株式会社スタンドアップ
代表者氏名鳥越 雄太郎

図:印影は「商号または名称」の社名後半に重ねる。

<説明をする宅地建物取引士>欄

登録番号(東京)第 296388 号
氏名髙橋 健太
業務に従事する事務所名株式会社スタンドアップ 本店
業務に従事する事務所所在地東京都新宿区西新宿3丁目15番5号
電話番号03(4400)3601

氏名の横に「㊞」「印」のマークがあっても、押さなくてよい。

  • 2022年5月18日施行の改正宅建業法で、35条書面・37条書面への宅建士の押印義務は廃止された。記名だけで法令上の要件を満たす。
  • 書式に残っている「印」は改正前の古い雛形の名残。マークがあること自体は押印を義務づけない。
  • 押さなくても、重説・契約書は有効。行政処分の対象にもならない。
  • 相手方や管理会社から「印がないので押してほしい」と言われたときだけ、宅建士の認印を押せばよい(押しても問題はない)。その場では「法改正で押印は不要になっています」と一言添える。
  • 「印」のマークを二重線で消す必要はない。空欄のままでよい。

<供託所等に関する説明>欄

■(1) 宅地建物取引業保証協会の社員 ← こちらにチェック((2) 営業保証金を供託 の側にはチェックしない)
宅地建物取引業保証協会の
名称及び所在地
公益社団法人 不動産保証協会
(東京都千代田区紀尾井町3-30 全日会館)
上記地方本部の名称及び
事務所所在地
東京都本部
(東京都千代田区平河町1-8-13 全日東京会館)
弁済業務保証金の
供託所の名称及び所在地
東京法務局
(東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎)

契約書側の「仲介業者」欄で追加になる項目

重説の表にはないが、契約書(37条書面)の媒介業者欄では次も書く。

取引の態様媒介
免許年月日2021年12月25日
郵便番号〒160-0023

契約日

会社情報は固定(ゴム印で可)だが、契約日は契約ごとに都度確認して記入する。使い回し・前回コピーは禁止。

書くときの注意

3. 書類別・どこに何を書いて押すか

3-0. 東京都内の賃貸は「3点セット」が基本

東京都内の居住用賃貸を媒介する場合、印鑑を押す書類は原則この3つ。

#書類根拠当社が押す印宅建士
賃貸借契約書民法/宅建業法37条書面を兼ねる丸印
媒介業者欄
記名のみ
重要事項説明書宅建業法35条丸印
商号または名称の欄
記名のみ
賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書
東京ルール
東京都の条例丸印記名
→ 3-3

3点まとめてのチェック

ケース・バイ・ケース(3点セットにならない例)

ケースどうなるか
店舗・事務所など事業用③は不要(東京ルールは居住用のみ)→ ①②の2点
東京都外の物件③は不要。ただし他県に独自ルールがある場合あり
貸主が直接契約
当社が媒介に入らない
③は不要
定期借家①②③に加えて、「更新がなく期間満了で終了する」旨の事前説明書(契約書とは別の書面)が必要。これを欠くと定期借家にならず普通借家になる
保証会社を使う保証委託契約書・申込書が追加
更新契約重要事項説明は不要(新規契約ではないため)
毎回「この案件は何点セットか」を書類を並べて確認してから押す。惰性で3点と決め打ちしない。

3-1. 重要事項説明書(35条書面)

やること
冒頭「取引の態様」媒介 に○ または記入
説明をする宅地建物取引士登録番号・氏名を記名
説明の相手方(借主・買主)相手方の署名(自署)+押印。説明後にもらう
供託所等に関する説明2章のブロック
業者欄商号・代表者・主たる事務所・免許証番号・免許年月日+丸印
全ページページ数を確認 → 契印(→ 4章)
説明の前に日付を入れない。説明を実施した日を当日記入する。

3-2. 賃貸借契約書 / 売買契約書(37条書面を兼ねる場合が多い)

やること
貸主(売主)署名・押印
借主(買主)署名・押印
連帯保証人署名・押印(保証極度額の記載があるか要確認)
媒介業者2章のブロック + 丸印、宅建士の記名
各ページ契印
部数(通常2〜3部)割印

3-3. 賃貸住宅紛争防止条例に基づく説明書(東京ルール)

3-4. 媒介契約書

3-5. 付随書類

物件状況報告書 / 設備表 / 原状回復に関する確認書 / 保証会社の委託申込書 / 鍵の受領書

4. 押印の基本ルール

押す位置

押し損じたとき(かすれ・欠け・ズレ)

失敗した印影を二重線で消したり、修正液で消したりしない。次の2手で直す。

実印 実印
失敗した印影に少しずらして重ねて押す
実印
隣りにもう一度きれいに押す

契印(けいいん)= 1つの契約書のページ差し替えを防ぐ

左ページ
右ページ
見開きの綴じ目にまたがって押す

割印(わりいん)= 2部以上が同一であることの証明

1部目
2部目
2部をずらして重ね、両方にまたがるように押す

消印(けしいん)= 収入印紙の再使用防止

契約書
収入印紙
印紙と台紙にまたがるように押す

訂正

修正液・修正テープは絶対に使わない。/捨印はもらわない・押さない(後から自由に書き換えられる余地を残すことになる)。相手方から求められても、原則断る。
5. 電子契約(freeeサイン等)の場合
6. 署名をもらう前の最終チェックリスト
7. 締結後の返送・連絡
署名・捺印が終わったら、その場でスキャン(またはスマホで撮影)して、お客様に共有する。返送を待たせない。
8. 収入印紙の要否
文書印紙
建物の賃貸借契約書不要(課税文書ではない)
土地の賃貸借契約書必要(第1号の2文書。権利金等の額で決まる)
不動産売買契約書必要(第1号の1文書。軽減措置あり)
媒介契約書不要
重要事項説明書・37条書面不要
領収書 5万円以上必要(第17号/5万円未満は非課税)
駐車場
施設利用としての契約
不要(土地の賃貸借となる書き方なら課税。文言を要確認)
参考

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